LANケーブルの種類と注意点
ネットワーク構築を行う際に使用するケーブルといえば、LANケーブルです。
無線LANの場合を除き、ネットワークの配線はすべてLANケーブルで接続されます。ところで、LANケーブルにはいくつか種類があることをご存知でしたでしょうか?
今回の記事では、ネットワーク構築には欠かせないLANケーブルについてご紹介します。
▶目次
1、LANケーブルとは
LANケーブルについて簡単に解説します。
LANケーブルとはどのようなもの?
LANケーブルは、別名をイーサネットケーブル、ネットワークケーブルなどと呼び、ネットワークを構成する機器と機器の間を接続するケーブルのことを指します。
両端にコネクタが付いており、ケーブル部分は光ファイバもしくは銅線が樹脂でくるまれています。LANケーブルのコネクタはハブやルーターに直接差すことが可能です。
ストレートケーブルとクロスケーブル
LANケーブルにはストレートケーブルとクロスケーブルが存在します。
現在はほとんどの機器がストレートケーブルでの接続に対応しているため、クロスケーブルを利用する場面はほとんどありません。しいて言えば、パソコン同士をLANケーブルで直つなぎする場合にのみ、クロスケーブルを使用する場合があります。
LANケーブルのカテゴリ
LANケーブルは適合する速度や規格によってカテゴリが設定されています。
カテゴリには以下の4種類があります。
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- CAT5
かつては主流で使用されていたLANケーブルでしたが、下りの最高速度が100Mbpsなので、せっかく高速インターネット通信ができる環境にあっても速度の低下を招いてしまいます。光回線が一般的に普及した近年では、ビジネスではもちろん、一般家庭でもあまり利用されていません。
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- CAT5e
現在主流として使用されているLANケーブルです。下りの最高速度が、1Gbpsあります。光回線の高速通信に対応しており、値段も廉価です。
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- CAT6
下りの最高速度は1Gbpsとカテゴリ5eと同じですが、より高性能でノイズなども入りにくいため、快適なインターネット高速通信が利用できます。ただし、ケーブルの価格はカテゴリ5eよりも高価です。
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- CAT7
性能としては最も高いのですが、一般家庭やオフィスの環境での利用には対応していません。研究機関などで利用されるLANケーブルです。
LANケーブルのカテゴリの確認方法
LANケーブルのカテゴリは、購入時にはパッケージに記載されているので間違いにくいと思います。
利用中のLAN回線の規格を確認したいときには、ケーブルに規格が印字されているので、確認されると良いでしょう。
2、LANケーブルの接続方法
ネットワーク構築の際のケーブルの接続方法について案内いたします。
特殊な形状のLANケーブル
ネットワーク構築のしやすさを考慮して、特殊なLANケーブルも発売されています。
細い隙間を通すための細いLANケーブルや、動線の邪魔にならない薄くて平たいLANケーブルなどのことです。これらのケーブルは、基本性能はわずかながら通常のLANケーブルよりも劣ることが多くなりますが、非常に使い勝手の良いケーブルですので積極的に利用していくと良いでしょう。
配線時のオフィスレイアウトに注意する
ネットワーク構築におけるLAケーブルの接続は、機器から機器までをコネクタがカチッというまでつなぐものです。
したがって、ただ機器を順番道理に接続すれば問題ないように思えますが、そこまで単純ではありません。
例えば、ケーブルの上に重い荷物やデスクを置いていると、使用しているうちにケーブルそのものにどんどん負荷がかかってしまい、最終的には断線してしまうリスクがあります。
また、スタッフの動線上にケーブルを張りめぐらせたり、ケーブル同士がぐちゃぐちゃに絡み合う状態で配線をしてしまった場合には、歩いた時に引っ掛けてしまうなどの理由からケーブルを誤って抜いてしまったり、切断してしまったりするリスクにつながります。
配線に気を付ける
ネットワークトラブルの8割が配線によるトラブルであるといわれています。
専門の業者に依頼する場合にはそのリスクは下がるかと思いますが、LANケーブルは非常に身近であり、簡単な配線は自社スタッフや専門外の作業員にもできてしまうものなので、余計に注意が必要です。全く接続できない場合だけでなく、十分な速度確保されなかったり、通信が不安定になってしまったりという不具合も生じる可能性があります。
特に、「スプリットペア」という配線の間違いは、LANケーブルを自社スタッフで自作してネットワーク構築する際によく発生する配線トラブルです。配線に絶対の自信がない場合には、専門業者への依頼が無難化と思われます。
3、まとめ
ネットワーク構築において、意外に重要性の高いLANケーブルについて紹介しました。
LANケーブルはあまりにも身近なので、あえてネットワーク構築のための機器というイメージも持たれないかもしれませんが、用途や対応機器によって種類やカテゴリが設定されているので、確実に配線を行うことが重要です。
また、必要以上に長いケーブルを利用したり、動線の邪魔になってしまったり、といった配線は物理的にも作業効率を落としてしまうばかりか、機器の故障やケーブルの劣化・切断を招く恐れがあります。スッキリときれいなレイアウトになるよう、配線の仕方にも工夫をしましょう。
最終的には、やはり業者の方に依頼し、一任するのが間違いない方法かと思います。