パソコンIPアドレスとは
オフィスにおいて、ネットワーク構築の中で最も重要な機器は、パソコンです。
パソコンをインターネット接続するために、ネットワーク構築をするといっても過言ではありません。
パソコンはあまりにも身近過ぎて、使用できて当たり前と認識されていることと思いますが、だからこそ使用できない時やトラブル時には業務がストップしてしまいます。パソコンをネットワーク構築する上で重要なポイントは、ルーターから割り振られるIPアドレスです。IPアドレスとは、パソコンのインターネット上の住所のようなものですが、これがなければインターネット接続できません。
今回の記事では、パソコンのネットワーク構築におけるIPアドレスについて解説いたします。
▶目次
1、IPアドレスとは
パソコンのネットワーク構築にとっては必須のIPアドレスとはどのようなものかについて紹介いたします。
IPアドレスとは
IPアドレスとは、インターネットや社内のイントラネット上のネットワークに接続された通信機器1台1台に割り振られた識別番号のことを言います。言い換えれば、通信機器のネットワーク上での住所のようなものです。パソコンだけでなく、複合機やHDDなどネットワークに接続するハードウェアすべてIPアドレスが割り振られます。
「住所」とはいっても、実際にIPアドレスから個人情報が特定されるわけではありません。
インターネット利用をしていると、掲示板や問い合わせフォームに書き込んだ際などにIPアドレスが表示されることがありますが、IPアドレスから特定されるのは利用しているプロバイダ名称と、プロバイダの基地局の地域程度です。
グローバルIPアドレスとローカルIPアドレス
IPアドレスには、グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスがあります。
グローバルIPアドレスとは、パソコンなどの通信機器がインターネットを利用するために必ず必要になるもので、インターネットを契約した際に、プロバイダから割り振られます。オフィスで使用する際には、ルーターにグローバルIPアドレスが割り振られます。
ローカルIPアドレスは、一つのルーターに複数の機器を接続した場合に、それぞれの端末を識別するために割り振られます。ローカルIPアドレスは、グローバルIPアドレスに基づいてルーターが各パソコンに割り当てを行います。社内で接続する際には、ルーターが割り振っったローカルIPアドレスを、インターネット接続する際にはプロバイダが割り振ったグローバルIPアドレスを使用する、といったイメージです。
IPアドレスの確認方法
オフィスでパソコンを使用する際にはルーターから正しくIPアドレスが割り振られていれば、インターネットに接続できる状態になっているということです。
割り振られているIPアドレスは、パソコン側で簡単に確認できます。
いくつか方法はありますが、スタート画面からコマンドプロンプトを利用するのが最もスムーズ化と思います。
例えば、windows10の場合は、左下の検索窓に「コマンドプロンプト」と入力すると、背景がブラックの画面が表示されます。
この画面に直接「ipconfig」と入力すると、現在接続しているネットワークの情報が表示され、IPアドレスもあわせて確認することができます。
逆に、インターネットに接続できない状態になっていて、コマンドプロンプトの画面でもネットワーク情報が検出できない場合は、ネットワークに何らかの異常が起こっています。
IPアドレスの規格
IPアドレスはIPv4とIPv6の2つの規格で定義されています。
現状は、ほぼすべてのIPアドレスがIPv4形式ですが、IPv4のアドレスが43億通りとなっており、間もなく枯渇してしまうといわれています。そうした状況を受けて、今後IPv6の規格が増えていく予定です。
2、IPアドレスの取得方法と取得できない時の対処法
IPアドレスの取得方法と、取得できない時の対処法について案内します。
IPアドレス自動取得と手動取得
IPアドレスを取得する方法には、自動取得と手動取得があります。
ほとんどのパソコンでは、初期設定としてIPアドレスが自動取得に設定されています。電源を立ち上げてネットワークに接続すれば、自動的にプロバイダやルーターからIPアドレスが割り振られます。
自動取得に設定した場合に、IPアドレスは毎回必ず固定というわけではなく、その時の空き番号からプロバイダやルーターが割り振りを行います。
通常インターネットやソフトを使用する際にはほとんど問題となるレベルではありませんが、IPアドレスを固定に設定した方がインターネットの接続が安定するほか、特定のソフトを使用する場合や動画データの送受信をする場合など、固定IPアドレスの環境下でしか利用できないこともあります。
PC側の設定とプロバイダの契約状況によって、固定IPアドレスを設定することもできます。
固定IPアドレスの注意点は、以下の通りです。
- パソコンを別の個所で利用する際には、IPアドレスの取得を自動設定に戻さないとインターネットにアクセスできない
- 社内でIPアドレスを複数管理する場合に、誤って重複させてしまうとサーバーダウンにつながるケースがある
- IPアドレスが固定のため、外部から攻撃される際に標的が定まりやすい
IPアドレスの設定は、中小企業の場合には基本的には自動取得で十分ですが、用途に応じて手動取得も利用していきましょう。
IPアドレス取得方法の設定方法
Windows10でのIPアドレス取得方法の変更の仕方についてご紹介します。
- デスクトップの画面左下、検索窓に「ネットワーク接続」を入力します。
- 「アダプターのオプションを変更する」を選択します
- 現在接続しているネットワークが表示されるので右クリックします
- インターネットプロトコルヴァージョン4(TCP/IPv4)を選択してプロパティのタグを選択してください
- IPアドレスを自動的に取得する、もしくは手動取得する、を選択してください。手動取得の場合には、IPアドレスを手入力してください
IPアドレスが取得できない場合
パソコンがネットワークに接続できない場合には、IPアドレスが取得できていないケースが多くみられます。
例えば、他の拠点でIPアドレス手動取得に設定して使用しているパソコンをそのまま持ち込んだ場合や、IPアドレスを割り振る役目を負っているルーターが正しく作動していないケースなどです。
IPアドレスが取得できない場合の対処法としては、以下の手順を踏んでください。
- 上記のIPアドレスの変更設定の画面で現在の接続状況を確認する
- パソコンの電源、ルーターの電源をいったん落とした後に、ルーターの電源、パソコンの電源の順で再度電源を入れる
3、まとめ
今回の記事では、ネットワークのパソコンとネットワーク接続には不可欠なIPアドレスについて紹介しました。
IPアドレスには、グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスがあり、ネットワーク構築をする際には、1つのグローバルIPアドレスからルーターが複数のローカルIPアドレスを割り振ります。
通常は、パソコンの電源を立ち上げればほぼ自動的にネットワークに接続されるのでさほど気にする必要はありませんが、ネットワークの接続方法にはIPアドレス手動取得と自動取得があります。特に接続できなかったり、断線してしまったりしたときには、接続状況を確認し、いち早く復旧できるよう作業を進めましょう。