サーバーの役割と自社・レンタル比較
ネットワークを構築する際に、根幹となるのはサーバーです。
サーバーはただネットワークの心臓として存在しているだけではなく、使い方によっては業務上の利便性が大いに向上します。また、サーバーには自社サーバーとレンタルサーバーがあり、両者の特性を生かしながら運用していくと、コスト面でも利便性の面でも大きなメリットがあります。しかしながら、サーバーのダウンを繰り返してしまうと、企業としての信頼まで揺らいでしまうので、確実な運用が重要視されます。
今回の記事では、自社サーバーとレンタルサーバーの違いに触れながらサーバーの役割について紹介いたします。ネットワーク構築の際の参考にしてください。
▶目次
1、サーバーの機能とは
ネットワークのサーバーについて紹介します。
オンプレミスサーバーとホスティングサーバー
サーバーを大きく2つに分けた場合に、自社内のネットワーク上にサーバーを設置するオンプレミスサーバーと、インターネット上の仮想サーバーをレンタルする形で利用できるホスティング(クラウド)サーバーがあります。
大まかな違いとしては、自社構築のオンプレミスサーバーは機器の購入代金などイニシャル費用が高くつくことと、保守を自社で行わなければならないという負担がある反面、維持費は安価となり、またカスタマイズや拡張などは自社の都合で行えるので比較的容易に行えるというメリットがあります。
ネットワーク構築を行う際には、まず自社のオンプレミスサーバーの導入がベースとなりますが、用途によってホスティングサーバーを併用すると、負担やコストを削減することができます。
サーバーの主な機能
サーバーの主な機能は以下の通りです。
- データのバックアップ・ファイルの共有
- リモートアクセス
- アプリケーション管理
中でも重要となるのが、アプリケーションの管理です。オフィスのネットワークは、サーバーがアプリケーションを管理することにより正常に作動していますので、サーバーがダウンした際にはインターネットが閲覧できなくなってしまったり、自社のホームページがダウンしてしまったりといったトラブルが発生します。
サーバーのトラブルは企業の信用にも関わりますので、ネットワーク構築上のサーバーは24時間365日、常に安定して作動することが重要です。
2、サーバーの機能について
サーバーの機能について解説します。
データのバックアップ・ファイルの共有について
ファイルサーバーとも呼ばれます。
自社のファイルサーバー端末の場合には、専用のファイルサーバーに定期的に手動でデータのバックアップを保存することが一般的です。また、保存したデータを複数のスタッフ間で共有して閲覧したり、更新作業を行ったりする際に、サーバーの共有フォルダにデータを保存しておけば、ネットワーク上のすべての機器からファイルにアクセスすることができます。
レンタルサーバーの場合、サーバーの機能やプランによっても異なりますが、基本的な機能としてデータの自動バックアップ機能を備えています。
自動バックアップ機能とは、一定の時間にネットワーク上のパソコンのデータを保存し、バックアップを取る機能です。バックアップの処理は、基本的には深夜から早朝の、日常業務を邪魔しない時間帯に行われます。
ネットワークの機器やソフトに何らかの障害が発生した際に、データが損なわれてしまうことは珍しいことではありません。
リモートアクセス
リモートアクセスとは、自身が権限を持つネットワークに外部(社外や自宅など)からアクセスできることです。
パソコン本体に保存したデータについては、そのパソコンでしか基本的にはデータを見ることができませんが、オンプレミスサーバー・ホスティングサーバーに保存したデータの場合は、社外からでもインターネットを経由してアクセスすることができます。
緊急で確認したいデータがあるときや、書類の作成が必要になった際に、オフィスまで戻らなくてもデータだけを取り出すことができます。
また、元々共有フォルダに入っていないデータでも、共有フォルダに入れれば即時的に外部から閲覧できるようになるので、社内のスタッフにデータを共有ファイル内で保存するように依頼するだけで、すぐにデータを確認できます。
逆に言えば、容易にアクセスできてしまうためへっとワークアクセスへのパスワードの設置は欠かせません。
アプリケーション管理
サーバーの管理するアプリケーションは以下のものがあります。
- メールサーバー
- ウェブサーバー
- グループウェアサーバー
- ActiveDirectoryサーバー
- DNSサーバー
- 基幹システムサーバー
電子メールに関するサーバーです。
ホームページに関するサーバーです。
主にスタッフ同士で連絡を取り合うために使用するソフトウェアを利用するために必要なサーバーです。
社内のパソコンを一括で管理するために必要なサーバーです。
社内のIPアドレスやドメインを決定するために必要なサーバーです。
基幹システムを稼働させるためのサーバーです。
オンプレミスサーバーとレンタルサーバーをそれぞれ目的に応じて使い分けていくと効果的で、社内の基幹に関わる基幹システムサーバーやDNSサーバー、ActiveDirectoryサーバー、貴重な個人情報が含まれるメールサーバー、改定を行いたいときに自由に設定を変更できるウェブサーバーはオンプレミスサーバーが向いています。
3、まとめ
オンプレミスサーバーとホスティングサーバーの違いを比較しながら、サーバーの機能について紹介しました。
レンタルサーバーであるホスティングサーバーは、イニシャルコストが安く、流動的な運用が可能なので中小企業向きともいえますが、重要機密事項を含むデータやオフィスの基幹に関わるアプリケーションについてはできるだけ自社サーバーであるオンプレミスサーバーで管理したいものです。
主なサーバーの機能について紹介しておりますので、機能について比較しながらサービスの導入を検討していただければ幸いです。